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全国的に大学は3連休となるこの週末ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
私大では後期末の試験も迫っており、受験生を温かく見守っていられるほどの余裕はないかもしれませんね。
かくいう私Alhenaもその一人の筈です。


近頃小学校では掛け算の順序が違うと誤答になる、という話を耳にするようになりました。
私も10年前までは小学生でしたが、そんなことに気を使った記憶は一切ありません。
単に忘れているだけなのか、先生の方針が違っていたのか、もっと最近になってからそう教えるようになったのかは分かりませんが、何れにしても私の常識とは大きく異なる話です。

先ずは問題を整理してみます。
例えば「鉛筆を4人に3本ずつ配りたい。全部で何本の鉛筆が必要か。」という問題の式は、「3×4=12」でなければならず、「4×3=12」ではいけないとのことです。
これは、乗算記号を「3×4=3+3+3+3」のように教え、「単位当たりの量×幾つ分」という形で定めている為のようで、順序が間違っているということは、掛け算の意味を正しく理解できていないということになるそうです。

3つ以上の数の掛け算はどうなってるのかとか、長方形を90度回転させたら面積を与える式が変わるのかとか疑問や突込みどころはありますが、一先ずそれらは封印することにします。
私が最も気になるのは、そもそも「単位当たりの量×幾つ分」という形に定めた意味です。

英語圏では一般に「3×4=4+4+4」と教えるそうです。
これは「3×4」を"three times four"と読み、3倍の4、即ち3が4に作用していることを意味する為のようです。
なお、"three multiplied by four"の表現では、4が3に作用していると考えられますが、Googleに拠れば此方の表現が使われるのは前者の50分の1程度です。

日本語では「掛けられる数×掛ける数」というように、3に4を掛ける、即ち4が3に作用しているという考え方です。
書いていて逆でも良いような気がしてきましたが、今は日本語ではそうなっているということにしておきます。
(3掛ける4という語順がそもそも日本語には無いですし、格助詞をどう並べてもいいのが日本語ですし……)

括弧付きで余計なことを言いましたが、要は掛け算の定義は言語に起因する、ということです。
そこに数学的、或いは論理的に妥当な意味付けは見られません。
古くからの慣習、と言うより他ありません。

詰まり、掛け算の記号の前後に意味を求めると言うことは、算数ではなく国語の範疇に相当する事柄ではないでしょうか?

定義は数学的に意味も無く勝手に与えられたものであるのに、それに従っていなければ数学(掛け算)の意味を理解できていない、と断じるのは酷く横暴であるように思います。
ペアノの公理なんて正確に覚えている人は殆どいないでしょうが、誰だって自然数がどんなものなのかは知っていることでしょう。

百歩譲って定義の必然性を認めたとしても、少なくとも言語に起因するローカルルールであること位ははっきりと示す必要があるでしょう。
今の世の中では、日本で通用すればいいという考え方は捨てなければならないのですから。
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